YDF佐藤です。
台風2号の影響で本日は全便中止。
釣行を楽しみにしていただいておりました各ゲスト、この台風が海にとって良い作用をもたらしてくれることを願ってリベンジしましょう。
間もなく梅雨入りするとみられる関東地方。
日々、てるてる坊主を飾っておこうかと思いましたが一説によると、
江戸時代の書物には、てるてるぼうずは顔を描かずのっぺらぼうでつるし、晴れてほしいという願いがかなった後に目鼻を描く、とあります。
ウェザーニュース
という、なかなか手間がかかる感じの作業が必要でしたので、いっそのこと私自身が坊主にしてしまえばと考えておりました。
しかし、風習に倣いのっぺらぼうにはなれないので、どうしたものかと考えていたところ、
私にとって「坊主」と「釣り」は切っても切れないほどの深い関連性があることに気付きました。
それにつきまして、
当HPには船長紹介のようなページがないこと、お客様からよく自身の釣りのルーツ等について諸々ご質問いただくこと、何より重度で末期なネット弁慶シンドロームを患ってる故に、私の「釣り」についてのルーツ語りをすることにします。
売れに売れない場末のホスト的な長髪男が坊主へ
遡ること約18年前、2年程の社会人経験を積んだ後に会社を立ち上げました。
代表取締役という肩書に対して多少のプレッシャーはあったものの、会社がなんとなく軌道に乗ったこと&若かったせいか増長と思い上がりで調子&図にride onしていたような。
しかし今よりは直情的というかなんというか、気合が入るスピードが異常に速く、変なベクトルではございましたが、考えたことを即行動に移す20代前半オブ前半。
そんな生活の中でふと、
「気合を入れるために坊主にしよ」
と思い立ち、思ったその足で美容室へ向かい、坊主頭にしました。
なぜ美容室に行ったのかは解りませんが、いや、これ本当に解らないのですが、
自身の理想はオシャレ坊主とかではなく、どちらかというとベースボール坊主 or プリズン坊主なので床屋さんでいいじゃんという。
そんなこんなで、調子&図にride onしていた売れに売れない場末のホスト的なルックスの長髪男は、10分くらいでベースボール坊主 or プリズン坊主へ変貌しました。
なお、気合が入ったのか入ってないのかは全く覚えておりませんが、坊主にしてからというもの、新宿二丁目付近を歩いている時限定で、ナンパに遭いまくった事は覚えております。
坊主と魚の出会い
坊主にして気合が入ったであろう坊主。
日中は仕事をこなし、夜は社員と食事、または取引先との接待等で忙しい日々を過ごしておりました。
坊主で。
いつものように仕事を終え、商談+飲み会へ向かいます。
セッティングしていただいたお店へ入ると、
坊主「!?」
お店の壁が随所で水槽になっており、その水槽の中で魚が優雅に泳いでおります。
坊主は心の中で、
「え…魚苦手なんだけど…」
※当時は魚もお肉も全てが苦手、且つ今も悪霊のように所持しているアレルギーも相俟ってとんでもない偏食坊主
と、小生意気に思いましたが、そんな年頃なので厳かなお店の雰囲気とお酒に飲まれに飲まれつつも、グラスが空くにつれてアッパー過ぎなくらいの調子&図にride on。
坊主「サーセン、あの水槽に入っている縞々の魚を下さい」
お店の方「○○○○円です」
坊主「あーざっす」
運ばれてきたのは、かなり美しい良型のデザイナーズフィッシュ・石鯛。
当時魚が苦手な坊主でしたが、その綺麗なルックスに一瞬で心を奪われました。
もちろん食べても美味しく石鯛の身が持つ力による独特な触感に感動した覚えがあります。
坊主 vs レンギョ
それから数日後。
坊主の髪が5mmくらいに伸びたかと思われるほぼ同時期、お世話になっていた方から突然、
「釣りに行かない?」
と誘われます。
釣りについては小学生の頃に亡き父に連れて行ってもらっていたくらいで、1mmも知識がないどころか髪の毛も5mmくらいしかない坊主。
興味はあったので、お誘いのままに荒川でヘラブナの夜釣りをすることになりました。
誘っていただいた方にのべ竿仕掛けをセッティングしていただき投入、静かにヘラウキ(長いウキ)を眺める夜。
寄せ餌&食わせ餌の二本針なヘラブナ釣りでしたが、寄せ餌がバラけるとほんの少し水面から上がるウキ。
辛抱しつつ、細かく仕掛けを投入しつつしていると、ウキに動きがあります。
ほんの微かにウキが横に流れた瞬間、予め言われていたとおりにアワセを入れると強烈ヒットで乗りました。
上がってきたのは87cmのレンギョ。
かなり慎重な長時間ファイトだったことを覚えております。
・・・しかし特に何も感じず。
デビュー戦の「坊主vsレンギョ」でアップセットな勝利を収めたにもかかわらず、これといって感動はなく、なにか、どこかに物足りなさがありました。
そしてすぐに気づいた坊主。
「食べられる魚じゃないからだ」と。
先の食事での石鯛の美味しさとルックスの綺麗さで魚への苦手意識が薄まっておりましたので、食べられる海の魚であれば自分の中で何か感情の変化があるのかもしれない、と思った坊主。
坊主は早速「坊主vsレンギョ」をマッチメイクいただいたプロモーターに連絡し、海に連れて行ってほしい旨を伝えました。
返ってきた言葉は、
プロモーター「今から行く?」
と、格闘技興行のブッカーもビックリなスクランブルなお誘いでしたがもちろん二つ返事。
日が変わるか変わらないかの時刻、千葉の南方面へ向けて移動をしました。
もちろん、坊主で。
初めての海坊主
初めての海釣り。
漁港でヘラブナ仕掛け(エサは冷凍えび餌)を落としつつ巻き餌を撒いていると、
ネンブツダイ&小型のメジナの猛攻時々ゴンズイという展開。
それでも仕掛けを投入し続ける坊主。
数時間経過し夜が明けた頃、突然ウキがとんでもない突っ込みをします。
なんだなんだと珍しく焦る坊主。
釣り始めからかなり時間が経過していたので、その分「絶対に釣らねば」という気合で臨む坊主。
実際は10分くらいだったかと思いますが、のべ竿なので無茶は出来ない&初めての海の魚に興奮気味&そもそも圧倒的に坊主だったため、かなり長時間に感じました。
丁寧に浮かせて上がってきたのはなんと、
数日前に商談+飲み会で注文した石鯛。
しかも大きさが50cm弱と、あの石鯛よりもかなりサイズが大きく、美味しそうで、値段も高そうな魚が上がりました。
なにか運命のように感じて、とてつもなく感動したことを覚えております。
あんな坊主頭で。
釣りにハマる坊主
石鯛を釣り上げた後、めちゃくちゃ嬉しく、求めていたものはこれ(釣り自体+食べること)だったと気付いた坊主。
ここから一気に釣りへの情熱が爆上がり。
毎週何かしらの釣り(食べられる魚)へ出かけ、試行錯誤しつつ自己流で魚を釣る日々。
今では自身の精神を保つために必要不可欠なLTアジ釣りも始めつつ、数年経ち坊主が元坊主となってからも、釣ること・食べることを楽しんでいたのですが、ある日、あの魚に出会います。
元坊主の名前と取り巻く状況が似ている名前のあの魚との出会い
私が釣り好きと知っていた取引先の方から「シーバス釣りに行きませんか?」とお誘いが入ります。
「シーバス…スズキってルアー釣りだったような」と思いつつ、楽しそうだったので「はい、行きまーす」と返答。
釣具屋さんに行ってタックルを揃え、ルアーを3つ購入しボートシーバス船へ乗船。
9月末のAM5:00出船、今思うと状況的には良い感じではありますが、当時は「魚ってルアーで釣れるのか?」という疑問が先行しつつも、とりあえず乗船。
で、早速ルアーを2つロストして背水の陣。
そんなことは気にせず岸壁際に投げること数投、この後の人生を変えるパワーと遭遇します。
スピンテールを沈め、何もわからないままリトリーブをしてくると、突然「ガツ――――ン」ときました。
エサ釣りと異なり、ダイレクトに伝わる魚のパワーにビックリ。
当時の写真が残っておりますが、「竿立てすぎ」「そんな大きくないでしょその魚」「さすがのさすがに長髪過ぎ」と、ツッコミどころ満載でご覧頂くことが恥ずかしいのでアップは控えますが、上がってきたのは45cmクラスのシーバス。
1本釣っただけで満足しておりましたが、その後もなんとかルアーをロストせず魚をゲットし、計3本くらいは釣ったと思います。いや、3本くらい釣った後にルアーをロストしてしまいましたが、その後余韻でぼーっとしていたような。
この時は何より「ルアーで魚が釣れた」ということに感動した記憶があります。
もう坊主じゃないのに。
残念なことに頭がバグってしまった元坊主
初めてルアーフィッシングをした直後、あまりの感動から、
という思いが頭から離れず。
あまりにも釣りた過ぎて、自ら幹事となりボートシーバス船を探すことに。
しかし急なスケジュールでは当たり前に誰も付いてきてくれず、
初のシーバスフィッシングから3日後、幹事ソロで行くことに。
10月超前半夕方の一投目。
壁に対しミノーを平行に引いてくると…
ここから頭がおかしくなりすぎまして、
月に4回程度のスケジュールから、多い時で月に15回以上のボート釣行となり、完全に脳が破壊されてしまいました。
24時間365日、シーバスのことが頭を過ります。
その後、シーバスを中心に青物、太刀魚、タコ、アジ、カサゴ、メバル、黒鯛、メッキ、マゴチをターゲットに、ありえないペースでボートフィッシングをする元ベースボール坊主 or プリズン坊主。
数年それを続けていたところ、気付いたら船舶免許を取得しており、
自身が釣るより「ゲストに釣っていただくこと」「ゲストが魚を見るまでの過程の美しさ」に感動を覚え、
気付いたら船長になっておりました。
完
最後に
釣り人にとって「ボウズ」という言葉はあまり好まれない言葉ですが、
私にとってのボウズは「坊主=初心」であり、
毎便いい意味で「推定坊主」(初心を忘れず固定観念を入れずに、海況が良かろうと悪かろうと、あの手この手で何とか釣っていただく)の精神でやっていこうと思います。
この項目で申し上げていることはどう考えてもこじ付けというか文章の辻褄合わせというか伏線回収ですが、
最後まで駄駄駄駄駄文を読んでいただきありがとうございます。
また明日からもよろしくお願い申し上げます。
YDF佐藤
追伸
・ショップカードが出来ましたので是非ご利用ください。
・本記事に「坊主」というワードが何回出てきたか調べたところ「58回」でした。